Tさんご夫婦

- 子ども
- 2人(8歳長男&5歳次男)
- 働き方
- 共にフルタイム、フレックス制度利用
- 利用制度
- 保育園、トワイライト
Tさんご一家 リアルライフ
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今回は、小学3年生の長男(8歳)と年長の次男(5歳)の2人のお子さんを持つ、共働きのご夫婦にお話を伺いました。
実家のサポートには頼らず、仕事と家庭の両立を続けてこられた背景や、日々の工夫についてインタビューしました。
Q:まずは、ご家族構成と現在の働き方について教えてください。
妻:現在、団体職員の総合職としてフルタイムで働いています。長男が3歳になるまで時短勤務を利用していましたが、自分のキャリアも大切にしたいと考え、現在はフルタイムに復帰しています。働き方の工夫として、コロナ禍以降に導入されたフレックス制度を活用し、朝7時30分から業務を開始する早出勤務を選択しています。これにより16時45分には退社でき、夕方の子どもとの時間をしっかり確保できるようになりました。
夫:私は公務員で、フルタイム勤務です。1〜2時間の残業が発生することもありますが、できるだけ定時で退庁することを意識しています。働き方の大きな転機となったのは、次男が生まれた年に、1年間の育児休業を取得したことです。当時は、男性の長期間の取得はまだ珍しい時代でしたが、今振り返ると、この決断が現在の生活の基盤になっており、取得してよかったと感じています。
Q:男性が1年間の育児休業を取得するケースは、当時はまだ一般的ではなかったと思います。取得を決めた背景や、実際に取得してみて感じたこと、またその後のご家庭での変化について教えてください。
夫:職場を一定期間離れることには不安もありましたが、早い段階から相談し、周囲の理解を得ながら準備を進めました。もともと共働きということもあり、家事や育児はできるだけ半々で担うべきだと考えていましたが、実際に育休を取得したことで、育児の大変さや楽しさを実感することができました。ちょうどコロナ禍による保育園の登園自粛期間と重なり子どもたちが家にいる状態だったので、長男ともじっくり向き合うことのできる良い時間となりました。
妻:夫が1年間の育児休業を通して、日々の流れや細かな段取りまで一通り経験してくれたことで、復職後の今も育児を「手伝う」のではなく「自分が担うもの」という当事者意識を持ってくれています。このおかげで、私が日帰り出張に行く際なども、家庭の状況を細かく説明しなくても安心して家のことを任せられるチーム体制が築けました。
1年間の育休期間が、単なる休みではなく、本当の意味で育児を「自分事」化し、夫婦で一緒に家庭を支えていくための、とても大切な時間になったのですね。
Q:現在利用している、または、これまでに利用された、育児に関する支援制度や外部サービスはありますか?
妻:基本的には保育園と、小学校のトワイライトルームを主軸にしていました。現在の保育園は19時まで延長対応してくれるため、フルタイム勤務を続ける上で非常に助かっています。また、長男が小学3年生になってからは、本人の希望もあり、平日の放課後はトワイライトルームに行かず自宅で過ごすスタイルに移行しました。現在は主に夏休みなどの長期休業期間に利用しています。
夫:子どもが小さい頃は名古屋市の「758キッズステーション」などの子育て支援センターもよく利用してきました。
Q:支援センターなどの外部サービスを活用することで、精神的な面でのメリットはありましたか?
妻:育休中は社会から孤立しがちな時期がありました。そんな時、支援センターで支援員さんと他愛もない雑談ができるだけで、本当に心が救われました。また、他のお子さんの様子を見ることで、「うちの子だけが特別なわけではない」と、成長を客観的に捉えられるようになったことも大きかったです。
Q:現在は、限られた時間の中で仕事と家庭を両立されていますが、やりくりするポイントを教えてください。
夫:実は以前は妻の実家に住んでいて、通勤に往復3時間ほど費やしており、家庭で過ごす時間はもちろん、子どもとのひとときも満足に取れずにいました。
妻:私はもともと「実家の近くに住んで親に助けてもらいたい」という思いが強く、名古屋への転居には消極的でした。しかし、子どもが急に熱を出してお迎えの電話がかかってきた場合、職場から到着まで1時間半以上かかる現実に直面し、物理的な距離があることへのもどかしさを感じるようになりました。夫婦で何度も話し合いを重ね、「実家のサポートを頼るより、自分たちの移動時間を最小化するほうが家族で過ごす時間を確保できる」という結論にいたり、お互いの職場へすぐにアクセスできるエリアへ引っ越しました。
Q:実際に職場の近くに転居をして、生活はどう変わりましたか?
夫:現在は、夫婦それぞれの職場まで歩いて15分程度、保育園は歩いて5分、小学校も歩いて10分ほどの場所に住んでいます。移動時間を短縮したことで、子どもと向き合う時間が増えただけでなく、精神的なゆとりが持てるようになりました。戸建ても検討しましたが、通勤や通学のしやすさに加え、「24時間いつでもゴミ出し可能」などといったマンションの利便性を優先し、家事にかかる手間や時間を減らせたことも、共働きを継続する上では正解だったと感じています。
実家の近くという安心感よりも、日々の「移動時間」を徹底的に削減することを選んだ決断が、フルタイム両立の大きな武器になっているのですね。
Q:忙しい平日の家事分担や家庭内ルールなどがあれば教えてください。
妻:保育園への送迎については「朝はパパ、夕方はママ」と基本的には固定しています。料理は私の担当ですが、平日は宅配サービスやネットスーパー、ミールキットをフル活用し、買い物や下準備にかかる時間をできるだけ減らして効率よく生活しています。
夫:私は朝型の特性を活かして、朝6時から洗濯を担当しています。また、夕食後のお皿洗いと片付けも私の重要な任務です(笑)。
Q:役割分担が明確ですが、夫婦間で不安を溜めないためのコミュニケーション術、解消法があれば教えてください。
夫:軽い不満はその都度すぐに口に出すようにしています。私は皿洗いをしながら「今日は頑固汚れが落ちないな~!」とか「お皿の数が尋常じゃない!」などとブツブツ独り言のように吐き出すことで、ストレスを小出しに解消しています(笑)。綺麗事ばかりでなく、自分のしんどさを内にため込まないことが大事だと思っています。
妻:私も小さいことはすぐに夫に言うようにしています。あとからもっと早く伝えればよかったと思うよりは先に言っておきたいですよね。また、「親よりもまずは夫を頼る」という意識を大切にしています。親に頼りすぎると、夫の中に「誰かがやってくれる」という他人事感が生まれてしまいますが、夫を一番のよりどころにすることで、「まず自分がやらないといけない」という強い責任感とモチベーションが生まれる好循環ができていると感じます。
「親よりもまずは夫を頼る」ことでお互いの当事者意識を高めるという妻さんの考え方が素晴らしいですね。そして、夫さんがそれにきちんと応えているからこそ、二人なりの心地よい連携につながっているのだと納得しました。
Q:お二人とも仕事に妥協しない姿勢が印象的ですが、両立させる上で特に意識している仕事への向き合い方はありますか?
妻:職場では「子どもが小さいから」と配慮され、重要な業務や出張を制限されるなど、相手の善意によって自分の業務が必要以上に制限されることがありました。そのことから今では、「事前に調整できれば県外の出張も可能です」といったように、具体的な例を挙げながら、どの範囲までなら対応可能なのかを、自分から上司に明確に伝えるようにしています。
また、育休中は、スムーズな復職やその後のキャリア形成につなげたいと考え、無理のない範囲で学習の時間を取り、「育休MBA」という講座も受講していました。
夫:私は「恩返しの働き方」という視点を持っています。かつて1年間の育休や時短勤務で同僚に負担をかけ、助けてもらった経験があるからこそ、今はその恩を返す時期だと思っています。余裕がある時は、仕事を積極的に引き取るなど、職場全体が育児に寛容になれるような環境を意識しています。これが結果として、家庭と仕事の両立に良好な職場環境の維持に繋がっています。
Q:子どもの体調不良という「突発的なリスク」に対しては、具体的にどのような対策を講じていますか?
妻:「アンテナ」を常に高く張っています。朝、少し目が腫れている、いつもより早く起きてきた、声が少し低いなど、些細な変化を見逃さないようにしています。違和感があれば、その日の出社時に上司や周囲へ「今日は子どもの様子が怪しいので、急に早退になるかもしれません」と先手を打って伝えておきます。突然の呼び出しで慌てないように、事前の調整を心がけています。
そういった細かい心掛けが自分の心構えにもなり、自然と職場への配慮にもなっているんですね。そうした事前の働きかけがあるからこそ、いざという時も周囲の理解を得ながら、安心してお子さんに寄り添えるのだと感じました。
Q:最後にこれから共働きをスタートされる方や、両立に不安を感じている方へアドバイスをお願いします。
夫:実家が遠いと大変なこともありますが、二人でやるしかない状況を作ることで、結果として当事者意識が芽生え、モチベーションの維持にも繋がると思います。職場でも、自分が助けてもらった分を周りに返す「恩返しの働き方」を続けていれば、きっと周囲も味方になってくれます。一人で抱え込まず、夫婦で、そして職場の仲間と支え合いながら協力していくことが大切だと感じています。
妻:大切にしたい「子どもとの時間」や「自分のキャリア」を守りながら、家族が笑顔になれる工夫を心がけています。例えば、夏休みのお弁当作りでは、市販のサンドイッチを取り入れるなど、毎日完璧を目指さず、少し手を抜く工夫をしています。そうすることで、親にとっても無理がなく、子どもにとっては「特別なお弁当の日」として楽しんでくれることもありました。このように、家族全員が笑顔でいられるための小さな工夫を積み重ねて、自分たちにとって心地よい共働きの形を見つけることが大切であると感じています。
お子さんを持つご夫婦にとって、参考にしやすい具体的な取り組みについてたくさんお話していただきました。
「実家を頼れない」という状況を、お互いへの深い信頼と工夫で乗り越えている姿が非常に印象的でした。
本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。





