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ナゴ女アップデート

  • 専門家アドバイス

2021/08/20

Vol.2 今に満足? この先どうなるワタシ

シティリビング名古屋とタッグを組んで毎月お届けするウェブコラム第2回。
今回は専門家の方にお話を伺いました。おたのしみに!

軽やかに自分らしいミライを描くための、ナゴ女応援コラム第2回目のテーマは「今に満足? この先どうなるワタシ」。将来のことを考えると、不安になったり、焦ったり。「ぼんやりと、このままでいいのかなと思いながら、日々を過ごしているという感じ。今の職場でこの先どうなるのか、管理職になるってどうなんだろうとか。現状に不満はないけれど、ほかにもっと自分に合う仕事があるかもしれないし」というナゴ女のⅯさん。
江利川良枝先生にアドバイスをもらいました!

江利川良枝先生 … 名古屋学院大学商学部 キャリアデザイン担当講師。いくつかの企業で働いた後、キャリアコンサルタントに。大学のキャリアセンターを経て、現職。「さまざまな職場を経験したことも、今の仕事に役立っていますよ」

言われた仕事だけをやるのは、楽しくないよね

Ⅿさん:最近、仕事のこと、将来のことを考えると不安になります。学生時代の友だちが転職したり結婚したり、キャリアップのために環境を変えたり。そんな話を聞くとますます不安です。

江利川先生:Ⅿさんは、不安だけど、不満はないのですよね。世間的にみると、ぜいたくな悩みにも聞こえるかもしれませんね。今はどんな気持ちで仕事に取り組んでいますか。

Ⅿさん:言われたことはやっているつもりです。でも、やりがいを感じるとか、楽しいとかではありません。

江利川先生:言われた仕事だけをやっているうちは楽しさを感じないかもしれませんね。学生時代、「やりなさい」と言われて勉強するよりも、好きな教科を「楽しい!」と思ってやるほうが、気分がのったのに近いと思います。私は比較的、転職経験が多くて…仕事の見つけ方は「世の中から取り残されたくない」という不安を埋めるものだったのですよ!

Ⅿさん:え! どういうことですか。

江利川先生:大学時代、自分に自信がなくて、やりたい仕事もはっきりしていなくて。人見知りを克服しようと考えて、営業職に就きました。バブル時代で、インセンティブもあって給与はよかったのですが、次の不安「パソコン能力がない」に襲われます。そして、事務職に転職しました。「世の中から取り残される不安症候群」でしたね。

Ⅿさん:「世の中から取り残されたくないから転職する」なんて、考えたこともなかったです。

江利川先生:3回目の転職は、27歳の時に結婚してパートで勤めた会社でした。バリバリと仕事をこなしていた方が辞めることになって、私は1/10程度の量を引き継ぐことになりました。引き継ぎの3か月の間で、「こんなに時間があるのに、私の受け持ちはこれだけでいいの? もっとできそう。やってみたい」と思うように。だれにも引き継がれない仕事を、自分からやらせてほしいと伝え、結局1/2程度の仕事を担当しました。もっとよくなる方法を考えながら工夫しているうちに、仕事ぶりを評価してもらえ、半年後には契約社員にならないかと声が掛かりました! ちょうど夫の名古屋への転勤が決まったタイミングと重なってしまって受けられず、悔しかったですね。
これには続きがあって、この会社の社長が、名古屋での就職活動をサポートしてくれたんです。お願いしたわけではないのですが、転職活動していた会社とたまたま取引があって、よい評価を伝えてくれたんです。だから、スムーズに名古屋で働くことができたんですよ。

Ⅿさん:すごい。主体的に仕事をすると、そんなラッキーなこともあるんですね。

江利川先生:言われたことをやるのはもちろんですが、受け身だと、うまくいかなければつい人のせいにしてしまいますよね。自分のせいじゃないと…また、うまくいったとしても高揚感がありません。私は20代後半になってようやく、主体的にやれば、やりがいも楽しさも感じられるんだと実感しました。

だれもが、すぐ生かせる資格はありません!

Ⅿさん:不安を原動力に行動している人と、行動できない人がいると思います。私は行動できなくて。

江利川先生:転職が必ず不安を解消してくれるわけでもありません。不満を感じているわけではなければ、新しく何かを学ぶのはどうでしょう? 私は転職回数が多いですけど、最近は一つの職場で長く働いています。長く働くと、後輩や部下ができますよね。そのときに、「上司・先輩としての自分」「部下・後輩から見られている自分」や、「上司から見える自分」を客観的に観察してみると、求められていることが見えてきます。
今した方がいいことは何なのかを考え、経験だけでは補えないことや関連することを勉強してみませんか。自分自身がステップアップするためにも必要なことですよ。

Ⅿさん:すぐに役立つ学びや、生かせる資格ってあるのでしょうか…。

江利川先生:それが分かれば、誰も不安にならないかもしれませんね。それと、世の中でニーズがある資格でも、自分に興味が持てないことだったら、なかなか頭に入らず身に付かないと思いませんか?
私の場合、個性の違う数人の後輩を指導することになったときに、人の話をしっかり聴くスキルが必要だと思って産業カウンセラーの資格を取得しました。その後、40代になって大学院で心理学を学びました。そこでの学びが今につながっていますし、振り返ると、学生時代から先生になりたいという気持ちがあって、いろいろな経験を経て、今につながっています。

Ⅿさん:人気の資格本は買うけれど、挫折ばかりでした。興味がもてるかどうか、ですね。

江利川先生:最近、よく聞かれるようになったと思いますが、今は「人生100年時代」です。20年学び、40年働いて、20年で余暇を過ごすといったそれまでの一般的な物差しがなくなった時代ですから、人それぞれ、自分のペースで! いつでも学びなおしはできます。資格取得にこだわらず、自分の興味があるもの、必要なものを何でもやってみることから。
家と会社の往復に+αを加えるだけで、世界が広がります。ぜひ、生活の彩りになるようなわくわくすることをやってみてくださいね。

「人と比べて意味があるの?」と、客観的視点を持って

Ⅿさん:自分らしいキャリアデザインをしなきゃと焦っていましたが、少し安心しました! キャリアデザインもよく分かっていないのですが(笑)。

江利川先生:難しく考えずに、焦らずに! 自分はどんなことで満足できるのか、何に幸せを感じるのかをじっくり考えてみて。人をうらやましく感じるときは、その事柄は比べる必要があるものなのかと、客観的な視点を持って。自分が満足できる事柄でないのなら、比べる意味はないですね。

江利川さん流 自分らしいキャリアデザインのポイント

Step1・自分がどうなりたいか、どうありたいかを見つめる
Step2・その上で、今と「ありたい自分」の差を行動によって埋めていく

1は時を経て変わることもあります。1と2を繰り返すことで、自分らしい生き方、働き方につながっていきます。1が具体的に分からない場合は、「今何となく引かれるもの」に対して行動しましょう。

Ⅿさん:目先にこだわらず、3年後にかなわなくても、20年後にかなう目標が持てたら。まずは自分と向き合って、焦らずに。ただし私の場合は、のんびりし過ぎずに、進んでいきたいです!

 

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